ツール、モデル、活用事例の解説ダイジェスト
近年のコンシューマー向け GPU の性能向上、ツールの充実、そしてオープンウェイトモデルの登場により、大規模言語モデル(LLM)をローカル環境で実行することは、単に可能なだけでなく、実用的な段階に入っています。今回、自身の PC をローカル AI ワークステーションとしてセットアップし、生産性向上、自動化、マルチモーダル生成、開発ワークフローに焦点を当てた、いくつかの実用的な LLM 活用事例を検証しました。
本記事では、試行したアプリケーション、モデル、ユースケース、および必要なソフトウェアの概要をまとめています。各トピックについては、今後、インストール方法、設定、具体的な生成例などを網羅した詳細な個別記事を公開する予定です。
各アプリケーションの詳細に入る前に、すべての実験で使用した PC のスペックと基礎となるソフトウェアスタックを紹介します。
| パーツ種別 | 製品名 | メーカー | 主な仕様 |
|---|---|---|---|
| CPU | Core Ultra 7 265K | Intel | Arrow Lake-S architecture, unlocked processor, high-performance desktop CPU |
| CPU Cooler | Peerless Assassin 120 Black | Thermalright | Dual-tower air cooler, 120 mm fan, 6 Heat Tubes |
| Motherboard | PRO Z890-S WIFI | MSI | Intel Z890 chipset, LGA1851 socket, Wi-Fi, Intel 200S Boost support |
| Memory | CP2K32G60C40U5W | Corsair | 64 GB (32 GB ×2) DDR5, 6000 MT/s, CL40, support Intel XMP 3.0 and AMD EXPO |
| Storage | CT2000T500SSD8JP | Crucial | 2 TB NVMe SSD, PCIe Gen4, high-speed M.2 storage |
| Graphics Card | GeForce RTX 5060 Ti 16G VENTUS 2X OC PLUS |
MSI | NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti, 16 GB GDDR7, factory overclocked, dual-fan design |
| PC Case | North Charcoal Black TG Dark | Fractal Design | Mid-tower case, tempered glass side panel, airflow-focused design |
| Power Supply | AG-650M-JP *1 | Apexgaming | 650 W, 80 PLUS Gold certified, fully-modular PSU |
uv Python
環境マネージャー (ComfyUI 等で使用)主な役割: LLM およびマルチモーダルモデル用のローカル推論エンジンおよびモデル管理ツール
LM Studioは複数の下流アプリケーションにAPIエンドポイントを提供することで、LLMをワークフローに容易かつ安定的に組み込むことができます。また、MCP(Model Context Protocol)ベースのウェブ検索統合機能により、ローカル環境でもインターネット上の情報を活用した高度な推論が可能です。この場合でも、ユーザーがインターネット検索の承認を都度行うことができるため、Local LLMの利点であるデータ流出の制御が可能です。
主な役割: 高品質なローカル・テキスト読み上げ(TTS)生成
この構成により、クラウド API に依存することなく、許容可能な遅延と安定した音声品質で、完全にローカルな TTS 環境を実現しました。
主な役割: ワークフローの自動化とオーケストレーション
公開されているn8nセットアップ用のDocker Compose YAMLファイルをそのまま、または一部編集することで、WSL環境でも柔軟かつ安定してn8nを導入できることが確認できました。また、同じノード構成で、外部APIの代わりにローカルLLMエンドポイントを組み合わせてワークフローを検証できるため、プロトタイプ作成用として有用であることも確認できました。
主な役割: ローカル AI を活用したコードエディター
このセットアップにより、日常的な開発タスクの多くで完全にローカルなAIコーディング環境を実現できることがわかりました。同時に、16GBのVRAMでは高度なLLMモデルを利用できないこと、シンプルなコーディングでもコンテキスト長が重要であるため、より多くのVRAMが必要だということも実感しました。2025年12月現在のGPUの性能と価格を考慮すると、AIコーディングには多くの場合、外部サービスを利用するのが現実的だと思われます。
ComfyUIをローカル環境にインストールする方法は、「Desktop Application」「Windows Portable Package」「Manual Install」の3つがあります。今回は柔軟性を重視して「Manual Install」を選択し、いくつかのワークフローをテストしました。より気軽に試してみたい方には、ダウンロードするだけですぐに起動できる「Portable Package」がおすすめです。
uv による Python 環境にインストールComfyUIの柔軟性は実験に最適ですが、環境管理や依存関係の制御(PythonのバージョンやCUDAなど)には注意深い運用が必要です。また、動画生成においてはGPUメモリの制限が顕著に現れます。