時間・帯域・角度の特性とその影響を理解する
コヒーレンス時間 (Tc) は、チャネルが統計的に安定していると見なせる時間の長さを示し、最大ドップラー周波数 (fd) と Tc ≈ k/fd の関係で近似されます。 定数 k は「コヒーレンス時間」をどのように定義するかに依存し、特にチャネルの自己相関関数のレベルに基づきます。 例えば、自己相関が0.5まで低下する時間では k ≈ 0.423 (Clarkeのフェージングモデルに基づく一般的な基準)、0.9まで低下する時間では k ≈ 0.35 となります。 単純な近似としては k = 1 も用いられます。
移動速度が速くなるほど、あるいはキャリア周波数が高くなるほど、ドップラー効果によりチャネルの変動が大きくなり、結果としてfdが増加しTcが短くなります。
入力値: v = km/h ( m/s), f = GHz, k =
fd = ( × ) / c ≈ Hz
Tc ≈ / ≈ ms
コヒーレンス帯域 Bcは、マルチパス伝播環境でチャネルが一貫している(フラットとみなせる)周波数領域の範囲を示します。 RMS遅延スプレッド(Root Mean Square Delay Spread)が大きいほど、マルチパス成分による周波数選択性が強まり、コヒーレンス帯域が小さくなります。 都市部など反射の多い環境では特に顕著です。
入力値: τrms = ns ( s)
Bc ≈ 1 / (2π × ) ≈ MHz
コヒーレンスアングルは、空間的なチャネルの相関が保たれる角度範囲を示します。 アンテナ素子数(N)が多いほどビームが細くなり、波長(λ)が短い高周波数帯では角度分解能が向上します。受信アンテナに対する信号の入射角(θ)にも依存します。
(1) f = GHz → λ = c/f ≈ m
(2) N = , d ≈ m ()
(3) θHPBW ≈ / ( × × sin(°)) ≈ °